アカリと きえた バレエシューズの なぞ
対象年齢 6〜8歳
本番の1時間まえに、プリマの ピンクの サテンの シューズが きえてしまいました。アカリは、ひっかかった 絹の 糸を たよりに、衣装ラックの めいろを すすみ、幕が あがるまでに シューズを さがしだします。

「本番まで あと1時間!」と、はねやま先生が よびかけました。ろうかは ハチの巣みたいに ざわざわ。そこへ、まりが 楽屋から とびだしてきました。目を まんまるにして さけびます。「わたしの シューズが ないの! ピンクの サテンの シューズが! あれがないと おどれない!」アカリは、ブーツのひもを むすぶ手を とめて 顔を あげました。なぞだ。アカリの いちばん すきなものです。
「だいじょうぶ」と アカリは 言って、しんちゅうの 虫めがねを とりだしました。「なぞには かならず てがかりが あるの。」アカリは、いつも シューズを おいている 化粧台の まえに しゃがみました。そこは からっぽ。でも、台の はしっこで、ピンクの ものが きらり。ささやきみたいに 細い、1本の 糸でした。
「きぬの 糸ね!」と アカリは 言いました。「サテンの リボンの 糸よ。まりの シューズと おなじ。」まりが のぞきこみます。「それ、どこへ つづいてるの?」アカリは、糸の むきを 目で たどりました。楽屋の ドアの むこう、せの高い 衣装ラックの 黒い かげのほうへ。「たしかめる 方法は ひとつ。この 糸を おいかけましょう。」


